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自殺企図(未遂)[私の治療]

登録日: 2022.07.26 最終更新日: 2026.02.21

新村秀人 (大正大学臨床心理学部教授,慶應義塾大学医学部精神神経科学教室非常勤講師)

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自殺未遂者には,自殺企図による身体的問題と精神医学的問題が併存する。まずは必要な身体科治療を行うとともに,背後にある精神状態を評価し,必要があれば精神科治療につなげる。
自殺未遂者の治療の要点は,自殺の危険因子と防御因子を把握し,危険因子を減らし防御因子を高めることである。

▶病歴聴取のポイント

医療者の態度は,傾聴,共感,受容が基本である。来院し自殺について打ち明けたことを肯定した上で,患者の状況に応じた具体的支援を行う。安易な励ましや安請け合いはしない。自殺企図や自殺念慮について話題にすることは,再企図予防の第一歩であり,患者との関係性を築いた上で,現在の自殺念慮の有無を明確に尋ねる。

▶バイタルサイン・身体診察のポイント

身体的危険性と再企図危険性を考慮して,身体科治療と精神科治療のバランスを判断する。身体状態が重篤な場合は,精神状態によらず身体合併症の治療を優先する。

【情報収集・企図手段の確認】

一手目 :バイタルサインや身体状態の確認

二手目 :現病歴,発見状況,遺書,家族や支援者,警察官対応の有無の確認

三手目 :本人や周囲から得られる情報(薬袋,用いた用具など)をもとに自殺企図手段の同定,身体合併症の重症度から必要な身体管理の判断

【身体合併症の把握と身体科治療】

以下に挙げる企図手段,身体合併症を把握し,必要な身体管理を行う。

企図手段:服薬,服毒,刃物,ガス,飛び降り,飛び込み,入水,縊首。

身体合併症:意識障害,呼吸不全,循環不全,中毒症状,外傷・臓器損傷,中枢神経症状,熱傷,感染症。

必要な身体管理:身体的精査,全身・呼吸管理,解毒,透析,高圧酸素,縫合,熱傷治療,手術。


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