下肢静脈瘤に対する血管内治療は,病的な静脈内に治療用カテーテルを挿入し,内腔から静脈を焼灼して閉鎖する低侵襲治療である
焼灼にレーザーを用いる血管内レーザー焼灼術(endovenous laser ablation:EVLA)と,高周波電流を用いる高周波焼灼術(radiofreqency ablation:RFA)がある
治療はすべてエコーガイド下に行われ,治療用カテーテルを伏在静脈の遠位部から上行性に挿入し,静脈周囲に局所麻酔を浸潤後,静脈を焼灼する
局所麻酔のみで施行可能なため,日帰り手術に適しており,わが国では2011年に保険収載され,施行症例数は年々増加し2013年にはストリッピング手術の症例数を上回っている
従来の下肢静脈瘤の根治手術であるストリッピング手術では,病的な静脈を抜去・切除していたが,血管内治療は病的な静脈内に挿入したカテーテルで静脈を焼灼して閉鎖する。ストリッピング手術と異なり,高位結紮術が必要なく局所麻酔のみで施行できるため,低侵襲で日帰り手術に適している。
治療の実際はエコーガイド下に光ファイバーあるいは高周波カテーテルを静脈内に挿入し,tumescent local anesthesia(TLA麻酔)と呼ばれる局所麻酔を伏在静脈周囲に浸潤する。血管内レーザー焼灼術(endovenous laser ablation:EVLA)では,レーザーを照射しながら光ファイバーを連続的に牽引し静脈を焼灼する(図1)。高周波焼灼術(radiofreqency ablation:RFA)では,カテーテル先端のコイルを高周波電流で加熱して静脈を焼灼する。わが国では2002年から行われていたが,自由診療であったため,それほど普及しなかった。しかし,2011年にEVLAが保険収載されたため急速に普及し,2013年にはストリッピング手術と治療数が逆転している1)。
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