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失神の診断への適切なアプローチは?

No.5137 (2022年10月08日発行) P.53

住吉正孝 (順天堂大学医学部附属練馬病院循環器内科 特任教授)

河野律子 (産業医科大学医学部不整脈先端治療学准教授)

登録日: 2022-10-06

最終更新日: 2022-10-04

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  • 2022年3月に日本循環器学会/日本不整脈心電学会の「不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン」が改訂されました。その中で「原因不明の失神の診断」について,産業医科大学・河野律子先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    住吉正孝 順天堂大学医学部附属練馬病院循環器内科 特任教授


    【回答】

    「失神の診断・治療ガイドライン」は,2007年に日本循環器学会より初版が発行され,2012年の改訂版では失神診療のフローチャート,リスクが高い患者の評価法や植込み型心電計の適応が導入されました。2012年改訂版では,意識消失の原因を効率的に鑑別し,心原性失神を早期に見きわめることを推奨しています。

    2022年3月に発行された「不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン」にも「原因不明の失神の診断」が掲載され,フローチャートに沿った失神診療の進め方が提示されています。患者が意識消失を主訴に来院した際には,真に一過性意識消失発作であったことを確認します。そのためには患者本人だけでなく目撃者からも発作の状況を丁寧に聴取して,それらを手掛かりに高齢者の単なる転倒や,糖尿病患者の昏睡などは除外しておく必要があります。

    一過性意識消失発作であると確信できれば,初期評価に移ります。ここでは,失神と失神以外の原因とを見分けることが主な目的となり,特にてんかんとの鑑別が必要であるため,てんかんについての基本症状も理解して問診を行います。その結果,失神が疑わしければ,原因疾患の鑑別に進みます。

    残り638文字あります

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