No.5137 (2022年10月08日発行) P.54
柴田政彦 (奈良学園大学保健医療学部 リハビリテーション学科教授)
高橋紀代 (千里山病院集学的痛みセンター)
登録日: 2022-10-07
最終更新日: 2022-10-04
【質問者】
柴田政彦 奈良学園大学保健医療学部 リハビリテーション学科教授
【集学的診療には多職種の診療を支えるマネージャーが重要である】
集学的診療は多分野・多職種の専門家が協働し,共通目標を念頭に行います。慢性疼痛診療ガイドラインでは,「治療による副作用をできるだけ少なくしながら痛みの管理を行い,患者のQOLやADLを向上させることが,慢性疼痛治療における目的と最終目標の基本である」とあり,理学療法士や心理士などと取り組む集学的診療は適しています。
集学的診療の意義は,心理面や環境要因,患者の資質を考慮し,チームで取り組むこと,そして患者自らが主体的に取り組む意欲を引き出し,達成感を経験し,自分で慢性痛を克服するという考えを身に付けてもらうことです。実際には,医原性の合併症や,偏ったアプローチが減り,円滑にセルフケアの導入が可能になる等のメリットがあります。
では,集学的診療の実施・運営のポイントを説明します。
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