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慢性糸球体腎炎[私の治療]

No.5142 (2022年11月12日発行) P.41

山田宗治 (東京医科大学八王子医療センター腎臓内科・血液浄化療法室准教授)

尾田高志 (東京医科大学八王子医療センター腎臓内科・血液浄化療法室教授)

登録日: 2022-11-14

最終更新日: 2022-11-08

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  • 慢性糸球体腎炎とは臨床症候診断名であり,尿所見異常が少なくとも1年以上にわたり慢性的に持続する病態とされ,先行する急性糸球体腎炎に続く場合と,初発として見つかる場合がある。このような病態を呈する疾患には,IgA腎症を代表とするメサンギウム増殖性糸球体腎炎,膜性増殖性糸球体腎炎,膜性腎症,巣状糸球体硬化症など様々な疾患が含まれる。

    ▶診断のポイント

    上記のように慢性糸球体腎炎は様々な疾患を含有しているため,原疾患を診断することが重要である。なぜなら,原疾患ごとに治療法が異なり,病態に応じた治療法を選択することで腎予後の改善が期待できるからである。原疾患の確定診断には腎生検が必須で,血尿を伴う蛋白尿(尿蛋白/尿クレアチニン比0.15g/gCr以上),もしくは高度の蛋白尿(尿蛋白/尿クレアチニン比0.5g/gCr以上)を認める場合には,腎生検を実施している施設に紹介する1)

    早期発見には尿検査を実施し,検尿異常を見逃さないようにすることが重要である。尿検査としては尿沈渣,尿蛋白定量および尿中クレアチニン検査を実施する。また,健診などでの尿検査異常の既往を聴取することも大切である。

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