【質問者】
井上啓史 高知大学医学部泌尿器科学教授
(1)TURBOとTURBTの相違
膀胱腫瘍に対するTURBTは,通常ループ状の電極を用いて腫瘍を細切し,回収します。しかし,そのために正確な深達度診断や断端の評価は困難であり,臨床上はTURBTのunderstagingが問題となっています。また細切した腫瘍組織が膀胱内に播種,着床することによりTURBT後の膀胱内再発の頻度が高い可能性も指摘されています。
膀胱腫瘍を経尿道的に一塊切除する試みは,2000年前後に主に日本の研究者より複数の報告がなされています。その中で,鵜飼らが報告した論文“A new technique for transurethral resection of superficial bladder tumor in 1 piece.”1)から手技の頭文字をとって“TURBO”と命名されました。当院ではこのTURBOを2010年6月より導入し,症例数は300例を超えました。以下,手技のポイントを挙げます。
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