難治性慢性咳嗽治療薬「リフヌア錠」(一般名:ゲーファピキサント)の処方日数制限が4月30日より解除されたことを受け、発売元の杏林製薬は5月26日、慢性咳嗽診療に関するメディア向けセミナーを開催した。リフヌアは、世界初の選択的P2X3受容体拮抗薬として2022年1月に承認。同年4月に薬価収載(45mg1錠:203.20円)、発売された。
セミナーで講演した名古屋市立大院呼吸器・免疫アレルギー内科学教授の新実彰男氏(写真)は、慢性咳嗽診療の実態について「他疾患への合併が多いGERDを含めて、想定される複数の原因疾患に対して最新・最大限の治療を行っても改善が不十分で、咳の消失には至らない治療抵抗例が少なくない」と指摘し、内因性ATPによる咳を抑制する難治性慢性咳嗽治療薬リフヌアが承認されたことの意義を強調した。
副作用については「高頻度に味覚障害が生じるが、中止によりほぼ可逆性」と説明した。
新実氏は、リフヌアの長期処方が可能になったことでより多くの患者に福音がもたらされることへの期待を示しつつ、使用上の注意点として「あくまでも対症療法であり、漫然と投与しない」ことなどを挙げた。
「リフヌア錠」の効能・効果(難治性の慢性咳嗽)に関連する注意
最新のガイドライン等を参考に、慢性咳嗽の原因となる病歴、職業、環境要因、臨床検査結果等を含めた包括的な診断に基づく十分な治療を行っても咳嗽が継続する場合に使用を考慮する