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サルコペニア・フレイル予防のための基礎研究の最新知見と実地臨床における具体策は?

No.5186 (2023年09月16日発行) P.51

勝谷友宏 (勝谷医院院長/大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学招聘教授)

杉本 研 (川崎医科大学総合老年医学教授)

登録日: 2023-09-14

最終更新日: 2023-09-12

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  • 国の施策でもあるサルコペニア・フレイル予防のための,基礎研究の最新知見と実地臨床における具体策を教えて下さい。
    川崎医科大学・杉本 研先生にご解説をお願いします。

    【質問者】勝谷友宏 勝谷医院院長/大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学招聘教授


    【回答】

    【低栄養,不動,慢性炎症などが原因となるため,それらを改善する介入が必要】

    フレイル,特に身体的フレイルにおける重要な構成要素がサルコペニアです。そのため,サルコペニア・フレイルのターゲット臓器の中心は骨格筋です。骨格筋量や機能は加齢とともに低下しますが,身体的フレイルやサルコペニアといった要介護や死亡リスクと関連する状態では,それらの低下度がより大きいです。すなわち,加齢による性ホルモン分泌低下やミトコンドリア機能障害に加えて,栄養障害〔筋量維持に必要な栄養素(アミノ酸,ビタミンDなど)が摂取できない〕,活動性低下(筋量維持に必要な物理的刺激が得られない),慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)や心不全,がんといった慢性炎症性疾患,内分泌系疾患などに起因する筋同化作用を有する因子の低下(IGF-1,インスリンなど)などがあると,筋蛋白分解が促進する一方で筋蛋白合成が低下するため,サルコペニア・フレイルが進行します1)

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