厚生労働省の厚生科学審議会感染症部会は20日の会合で、水痘の入院症例を全数報告の対象とする案を了承した。
現在実施している小児科定点報告は継続する。同省は、10月の定期接種化後に減少が予想される重症例の動向把握を通じてワクチンの評価につなげたいとしており、近く感染症法施行規則を改正する。
同日の会合では、播種性クリプトコックス症を感染症法上の五類感染症に指定し、全数報告の対象とすることも了承された。
同症は脳髄膜炎を引き起こす真菌感染症。原因菌のうち熱帯に生息する菌種「ガッティ」は健常人に多く感染し、高病原性では致死率が20%と高いため、同省はガッティの動向を把握し、サーベイランスの強化を図るとしている。
このほか、(1)鳥インフルエンザA(H7N9)と中東呼吸器症候群(MERS)の二類感染症への指定、(2)侵襲性髄膜炎菌感染症と麻疹について、医師に対し個人を特定できる情報の迅速な届出の義務化、(3)多剤耐性結核菌の管理規制範囲の見直し─などを柱とする感染症法改正案も正式に了承された。同省は秋の臨時国会に法案を提出する方針。