【質問者】飯島勝矢 東京大学高齢社会総合研究機構機構長 未来ビジョン研究センター教授
【高齢者自身が「やってみよう」と思える難易度に設定することが大切である】
通いの場とは,住民が主体的に運営を行う介護予防に資する活動を指し,たとえば,週に1回の頻度で集会場に集まり1回60分程度の体操や交流を行うといったものがあります。このような通いの場に参加することで介護予防効果があることが確認され,10年ほど前からその関心度が高まるようになりました。しかし,2020年からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で,その気運は大きく変化することになります。
多くの支援者は,コロナ禍でも通いの場での活動を継続できる方法としてオンラインに着目しました。リモート化が推進されたことで,街から人が消え,オンライン会議システムの導入が加速しました。便利さを認識した支援者は,そのシステムを高齢者にも応用しようと,各地でオンライン会議システムを用いた介護予防が検討されました。しかし,定着は容易ではありません。オンライン会議システムを用いた方法は「難しい」と感じる高齢者が多く,参加できる方,参加しようと思える方が限定されました。
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