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へき地・離島のオンライン診療―島全体にプライマリ・ケアを届けるために[プライマリ・ケアの理論と実践(187)]

No.5198 (2023年12月09日発行) P.12

陣内聡太郎 (山口県立総合医療センターへき地医療支援部副部長)

原田昌範 (同診療部長)

登録日: 2023-12-08

最終更新日: 2023-12-06

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SUMMARY
山口県立総合医療センターへき地医療支援センターは,へき地・離島における医療アクセスの課題に対処するため,ICTを使った診療支援を広げている。へき地・離島においてもプライマリ・ケア,専門医療の提供が可能となり,医療資源不足への対策となることが期待される。ただし,対面診療との適切な組み合わせが重要である。

KEYWORD
D to P with N(doctor to patient with nurse)
オンライン診療を実施する際に,患者の側に看護師同伴のもと診療を実施すること。事前トリアージ,検査・処置が可能となり,コミュニケーションを円滑に進めるのにも有用である。


陣内聡太郎1) 原田昌範2) (1山口県立総合医療センターへき地医療支援部副部長 2同診療部長)

PROFILE
自治医科大学卒。山口県立総合医療センターで初期研修。長州総合診療プログラムにエントリーし,総合診療専門医,新家庭医療専門医を取得(陣内,写真も)。

POLICY・座右の銘
医療の谷間に灯をともす


山口県の人口10万人当たりの医師数(2020年)は260.1人で,全国平均(256.6人)を上回り,中位レベルにあるが,全国平均を上回っている二次医療圏は,8圏域のうち2圏域のみである。また,県内でも地域間の格差があり,その解消が課題となっている。へき地・離島の状況はより深刻で,法律で定められる「へき地」は,面積にして県土の60%を占め,約20万人の方が暮らしている。本州最多の21の有人離島や中山間地域を含むその多くは,既に高齢化率が50%を超え,高齢者の生活を支える若い世代も減り,十分な医療・保健・福祉が届いているとは言いがたい状況である。

医療資源が不足するへき地・離島における医療アクセスを改善する目的で,山口県立総合医療センターへき地医療支援センター(Support Center for Rural Medicine:SCRUM)は,ICTの活用に積極的に取り組んできた。取り組みのひとつとして,へき地・離島の巡回診療先にクラウド型電子カルテを導入し,他の医療機関の診療情報をSCRUMと共有することを始めた。2021年度からは厚生労働省主任研究を開始し,県内各所でオンライン診療の実証を拡大する取り組みも継続している。

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