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CKD患者の代謝性アシドーシスに対する食事療法の最新の知見について

No.5203 (2024年01月13日発行) P.45

細島康宏 (新潟大学大学院医歯学総合研究科 腎研究センター病態栄養学講座特任准教授)

杉本俊郎 (滋賀医科大学総合内科学講座教授)

登録日: 2024-01-15

最終更新日: 2024-01-09

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  • 最近,「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」が刊行されました。慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者の代謝性アシドーシスに対する食事療法による介入に関する最新の知見についてご教示下さい。
    ガイドラインの作成にも関わっておられる滋賀医科大学・杉本俊郎先生に解説をお願いします。

    【質問者】細島康宏 新潟大学大学院医歯学総合研究科 腎研究センター病態栄養学講座特任准教授


    【回答】

    【CKD患者に対して,内因性酸産生量を抑制し腎機能悪化を抑制する目的でのアルカリ性食品(野菜や果物の摂取など)による食事療法の有用性が注目されている】

    「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」におけるCKD患者の代謝性アシドーシスに関するclinical question(CQ)・推奨に関して,2018年版と比較して異なる点は,代謝性アシドーシスに対するアルカリ療法としての炭酸水素ナトリウムの投与と,アルカリ性食品(野菜や果物の摂取など)による食事療法を,わけて解説している点です1)

    CKD患者の代謝性アシドーシスは,腎機能の低下のみならず,骨格筋や骨塩の溶解によるフレイルの進行につながることから,アルカリ療法を用いて介入すべきというのが,専門家のコンセンサスです。一般的に施行される炭酸水素ナトリウムの投与には,ナトリウム負荷による血圧上昇・浮腫,そして胃内で炭酸ガスが産生されることによる食思不振等の懸念があります。一方,アルカリ性食品(野菜や果物の摂取など)にはこれらの懸念が少なく,アルカリ療法として,より安全ではないかと考えられてきました。

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