【質問者】佐藤裕之 東京都立小児総合医療センター泌尿器科部長
【緊急性,年齢(膀胱のサイズ),尿管瘤の所属腎機能,膀胱尿管逆流の有無などから手術方法を選択する】
(1)IUはEUに比べ,尿路感染症などの問題を起こす頻度は低く,治療も単純で,経過観察,経尿道的尿管瘤穿刺(切開)術(transurethral puncture of ureterocele:TUP),尿管瘤切除および尿管膀胱新吻合術のいずれかが選択されます。
一方,尿路感染症,排尿障害など多彩な症状を呈するEUの治療は複雑で,経過観察,TUP,上腹部アプローチ,下腹部アプローチ,total reconstructionがあります。さらに,上腹部アプローチは上腎摘除術または尿管(腎盂)尿管吻合術が,下腹部アプローチは尿管瘤切除およびcommon sheath reimplantation(CSR)または膀胱外での尿管尿管吻合術(尿管瘤切除および尿管膀胱新吻合術を併施する場合あり)があります。total reconstructionは,上腹部アプローチの上腎摘除術と下腹部アプローチの尿管瘤切除および尿管膀胱新吻合術を同時に行うものです。EU所属の腎盂・尿管は著明に拡張しているので,CSRを行うときは術後の膀胱尿管逆流(vesicoureteral reflux:VUR)を予防するため,尿管形成術が必要です。
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