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尿管瘤の手術治療について

No.5204 (2024年01月20日発行) P.45

佐藤裕之 (東京都立小児総合医療センター泌尿器科部長)

杉多良文 (兵庫県立こども病院泌尿器科部長)

登録日: 2024-01-18

最終更新日: 2024-01-16

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  • 尿管瘤という病態は治療方針が難しい点があるため,混乱する先生もいることと思います。
    (1)膀胱内尿管瘤(intravesical ureterocele:IU)と異所性(または膀胱外)尿管瘤(ectopic ureterocele:EU)では治療方針・治療成績に差がありますか。また,その治療方針について。
    (2)尿管瘤とは間違えてはいけない病態はありますか。
    以上について,兵庫県立こども病院・杉多良文先生にご解説をお願いします。

    【質問者】佐藤裕之 東京都立小児総合医療センター泌尿器科部長


    【回答】

    【緊急性,年齢(膀胱のサイズ),尿管瘤の所属腎機能,膀胱尿管逆流の有無などから手術方法を選択する】

    (1)IUはEUに比べ,尿路感染症などの問題を起こす頻度は低く,治療も単純で,経過観察,経尿道的尿管瘤穿刺(切開)術(transurethral puncture of ureterocele:TUP),尿管瘤切除および尿管膀胱新吻合術のいずれかが選択されます。

    一方,尿路感染症,排尿障害など多彩な症状を呈するEUの治療は複雑で,経過観察,TUP,上腹部アプローチ,下腹部アプローチ,total reconstructionがあります。さらに,上腹部アプローチは上腎摘除術または尿管(腎盂)尿管吻合術が,下腹部アプローチは尿管瘤切除およびcommon sheath reimplantation(CSR)または膀胱外での尿管尿管吻合術(尿管瘤切除および尿管膀胱新吻合術を併施する場合あり)があります。total reconstructionは,上腹部アプローチの上腎摘除術と下腹部アプローチの尿管瘤切除および尿管膀胱新吻合術を同時に行うものです。EU所属の腎盂・尿管は著明に拡張しているので,CSRを行うときは術後の膀胱尿管逆流(vesicoureteral reflux:VUR)を予防するため,尿管形成術が必要です。

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