米国疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)は東アジア・太平洋(EAP)地域事務所を東京に開設し、2月5日に都内で開所式を行った。
EAP地域事務所の開設は、グローバルヘルスに関する米国政府の影響力を強化するのが狙い。中国で発生したCOVID-19が世界的なパンデミックになったことを踏まえ、関係国と連携して公衆衛生上の脅威を早期に探知し、迅速に対応することが米国の健康安全保障にとって重要としている。
このためEAP地域事務所の優先すべき課題として、①東アジア・太平洋地域との連携を強化し、グローバルヘルスに対するCDCの安全保障力を強化すること、②公衆衛生上の脅威を迅速に探知し、対応すること、③CDCとこの地域との間で知見と情報を交換すること―の3点を挙げている。
開所式にはM・コーエンCDC所長のほかR・エマニュエル駐日大使、武見敬三厚生労働相らが出席。コーエン所長は挨拶の中で、「EAP事務所は世界の、またこの地域の健康上の安全対策に取り組んでいく。そのため、先進的な脅威探知やラボのネットワーク、その他のシステムと連携していくことに焦点を当てていきたい。それにより、現在生じている、また今後生じる公衆衛生上の脅威に迅速に対応していく」と述べた。
CDCの地域事務所開設は、ブラジル(南米)、ジョージア(中欧・中央アジア)、オマーン(中東・北アフリカ)、ベトナム(東南アジア)に次いで今回が5カ所目。さらに今年後半にはパナマ(中米・カリブ諸国)での開設も予定されている。