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眼の充血[私の治療]

No.5217 (2024年04月20日発行) P.42

堅田侑作 (慶應義塾大学医学部眼科学教室)

登録日: 2024-04-17

最終更新日: 2024-04-16

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  • 強い視力低下や眼痛を伴っている症例は,専門医への早期紹介を検討する。特に急性緑内障発作,感染性角膜炎,淋菌性結膜炎,眼窩蜂巣炎などが疑われる場合には,速やかに紹介を行う。また,流行性角結膜炎などのウイルス性結膜炎の可能性を常に念頭に置き,感染拡大の予防に努める。

    ▶病歴聴取のポイント

    病歴聴取では①外傷性か,②両眼性か片眼性か,③急性発症かどうか,④随伴症状の有無,⑤眼疾患と全身疾患の既往歴,⑥コンタクトレンズ装用の有無,⑦眼分泌物の性状と量,⑧性交渉歴,⑨流行の有無,を確認する。

    ▶バイタルサイン・身体診察のポイント

    診察では①対光反応,②眼球運動,③対座法での視野検査,④脳神経症状,を確認する。

    眼圧測定が可能であれば行い,著しい高眼圧の場合は急性緑内障発作,著しい低眼圧の場合は穿孔性眼外傷を疑う。眼圧計がない場合には閉瞼させて,やさしく眼球を触診し,左右差や検者自身の眼球圧と比較する。

    結膜下出血を起こしているのか,結膜充血であるのか,毛様充血であるのか,を鑑別する。

    結膜充血は球結膜や眼瞼結膜表層の鮮紅色の血管拡張であり,毛様充血は角膜輪部を中心とした紫紅色の充血として認められる。結膜下出血は広範な斑状の結膜下の出血であり,肉眼でも容易に鑑別可能である。流行性角結膜炎では,眼脂と結膜濾胞,耳前リンパ節の腫脹を伴うことが多い。

    ▶緊急時の処置

    【急性緑内障発作】

    急激な眼圧上昇により,眼痛,頭痛,嘔気,嘔吐,角膜混濁,結膜充血,瞳孔中等度散大,対光反応減弱などの所見をきたす。本症を疑い,数時間以内に眼科医に紹介することが困難であれば,以下の治療を行う。

    一手目 :20%マンニットール注(D-マンニトール)1回1g/kg(急速点滴静注)

    二手目 :〈一手目に追加〉サンピロ点眼液1%もしくは2%(ピロカルピン塩酸塩)1回1~2滴,20分ごと

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