株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

■NEWS【ACC報告】CV1次予防例ではケトン体高値でCV転帰増悪― UK Biobank

登録日: 2024-04-19

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SGLT2阻害薬による心保護作用の一機序と考えられている血中ケトン体濃度上昇だが [Cowie MR, et al. 2020]、心不全(HF)や心血管系(CV)疾患がない例ではCV転帰を増悪させるようだ。4月6日から米国アトランタで開催された米国心臓病学会(ACC)学術集会において、ウェイクフォレスト大学(米国)のParag Anilkumar Chevli氏が、大規模観察データの結果として報告した。

【対象】

Chevli氏らが解析対象としたのは、アテローム動脈硬化性CV疾患(ASCVD)、HFいずれも有さない英国住民9万987名である。自主参加型コホート研究 "UK Biobank" から抽出した。平均年齢は56.4歳、女性が54.7%を占めた。

【方法】

これら9万987名の、観察開始時のケトン体量(NMRスペクトロスコピーで評価)と、その後のASCVDHF発症リスクを比較した。比較にあたっては、以下の背景因子を補正した(年齢、性別、人種、経済状況、肥満度、糖尿病の有無、喫煙の有無、血圧、総コレステロール、HDL-C、スタチン服用の有無、腎機能、アルコール摂取、身体活動性)。

【結果】

平均13.8年間の観察で、6.2%ASCVDを、3.2%HFを発症した。観察開始時ケトン体量10倍増に伴うハザード比は、ASCVD1.3295%信頼区間[CI]:1.191.47)、HF1.5095%CI1.301.74)だった。

また開始時ケトン体量三分位数で分けても、「最低」群に比べ「第二」「最高」群ではASCVDHFとも発生率が高い傾向を認めた(検定不記載)。

【考察】

Chevli氏らは、ケトン体量をCV高リスク群のスクリーニングに用い得るのではないかと考察している。なおCV1次予防例におけるケトン体量上昇に伴うCVイベント多発は、米国大規模コホートからも報告されている [Shemesh E, et al. 2023] 。

本研究はCOIに関する開示がなかった。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top