【質問者】長澤 将 東北大学病院腎臓・高血圧内科講師
【反対に,軽微な腎障害からSSを見出してこそ腎臓専門医と言える】
SSと腎臓専門医の関わりは,①既にSSと診断されている症例に腎障害を見出す,②腎障害からSSを診断する,の2つに分かれます。以下それぞれについて論じますが,後者のように乾燥症状以外の臓器病変からSSを診断することこそ腎臓専門医に求められる力だと思います。
日本人データを含む世界最大のコホートであるSjögren Big Data Projectによれば,SS 1万2753例のうち疾患活動性指標であるESSDAI〔the European League Against Rheumatism(EULAR) Sjögren’s syndrome disease activity index〕で定義された腎障害を有していたのは513例(4.2%)でした1)。
具体的には,尿細管間質性腎炎,尿細管性アシドーシス,糸球体腎炎です。SSに伴う腎障害の2/3を占める間質性腎炎は腎障害・検尿異常ともに軽度のことが多く,診断確定には腎生検を要します。ただし,SSに伴う腎障害は一般的に末期腎不全に至るリスクは低く2),Cr値を慎重にフォローしながら腎生検を行わずに無治療で経過を診ている自験例もあります。
残り909文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する