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糖尿病関連腎臓病(DKD)[私の治療]

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  • ▶治療の実際

    【SGLT2阻害薬】

    一手目 :カナグル100mg錠(カナグリフロジン水和物)1回1錠1日1回(朝食前または朝食後),またはフォシーガ5mg錠(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)1回1錠1日1回(朝食後)など

    SGLT2阻害薬開始後早期に一時的なGFR低下(initial dip)をきたす可能性があるため,eGFR 15mL/分/1.73m2 未満の患者では新規に開始すべきではない。また,薬剤によっては添付文書に開始不可となるeGFRの値が記載されているので処方前に確認する。一方,SGLT2阻害薬開始後にeGFR 15mL/分/1.73m2未満となった場合は,副作用に注意しながら継続することが望ましい。

    【RAS阻害薬・高血圧治療】

    一手目 :ニューロタン25mg・50mg錠(ロサルタンカリウム)1回1錠1日1回(朝食後),またはイルベタン50mg錠(イルベサルタン)1回1錠1日1回(朝食後)など

    血圧や血清カリウム値をモニターしながら,徐々に増量する。


    二手目 :〈一手目に追加〉ケレンディア10mg・20mg錠(フィネレノン)1回1錠1日1回(朝食後)

    eGFR 60mL/分/1.73m2以上の場合は20mgから開始してよいが,eGFR 60mL/分/1.73m2未満の場合は10mgから開始し,血清カリウム値やeGFRに応じて,投与開始から4週間後を目安に20mgに増量する。なお,血清カリウム値が5.5mEq/Lを超える患者への投与は禁忌である。

    ▶専門家へのコンサルト

    eGFR 30mL/分/1.73m2未満,ネフローゼレベルの蛋白尿,急速な腎機能低下(eGFR 10mL/分/1.73m2/年以上),腎性貧血や電解質異常などCKDの合併症を呈する症例については,腎臓専門医による継続管理が望ましい。また,「診断のポイント」で述べた,DKD以外の疾患の関与が疑われる場合も,腎臓専門医に紹介する。

    【文献】

    1)Novo Nordisk:Novo Nordisk will stop the once-weekly injectable semaglutide kidney outcomes trial, FLOW, based on interim analysis.
    https://www.novonordisk.com/news-and-media/news-and-ir-materials/news-details.html?id=166327

    2)Bakris GL, et al:N Engl J Med. 2020;383(23):2219-29.

    菅原真衣(東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科)
    南學正臣(東京大学大学院医学系研究科腎臓・内分泌内科教授)

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