キエジ・ファーマ・ジャパンは7月11日、都内で記者会見を開き、希少疾患製品を中心に日本での展開を本格化すると発表した。日本展開は7月24日に塩野義製薬より製造販売承認を承継した脂肪萎縮症治療薬「メトレレプチン皮下注用11.25mg」の販売と情報提供から開始する。
同社社長に就任した中村良和氏(写真)は今後の開発戦略について「既存のパイプラインから展開していく予定」と述べ、レーベル遺伝性視神経症、ファブリー病、表皮水疱症などの希少疾患分野で日本における展開を検討していることを明かした。塩野義製薬より承継したメトレレプチンの適応となる脂肪萎縮症については「国内患者数は約100名で、平均寿命は30~40歳と非常に重篤な疾患」と説明した。
キエジグループ希少疾患事業部門長のジャコモ・キエジ氏は日本の医薬品研究を高く評価し、「大学を中心とした優秀なアカデミアとの協力も非常に重要だ」と強調。「キエジは常に患者さんを中心とした事業を展開しており、日本でもこの姿勢を貫いていきたい」と意欲を見せた。
キエジグループは1935年にイタリア・パルマで設立され、現在は31カ国で事業を運営。2023年度売上は約30億ユーロに上る。
メトレレプチン皮下注用11.25mg「キエジ」の用法・用量
男性には0.04mg/kg、18歳未満の女性には0.06mg/kg、18歳以上の女性には0.08mg/kgを1日1回皮下注射。それぞれ0.02mg/kg、0.03mg/kg、0.04mg/kgから開始し、1カ月程度で上記投与量まで増量