いつもは波形の読み方を中心にお届けしている本企画ですが,今回は趣向を変えて心電図検査に用いる電極について話したいと思います。
心電図電極〔electrocardiograph(ECG)electro- des〕とは,被検者の皮膚に装着することで,心臓内で起きている電気現象*1を信号(シグナル)として検出するためのインターフェースです。“あたりまえ”すぎて,皆さんは普段あまり気にとめることもないかもしれません。ですが,知っているようで意外に知らないこともあるかと思いますので,楽しくお話できたらと思います。ではスタートです!
電極の種類にはいくつかあります。最も標準的なタイプわけとして,リユーザブル型かディスポーザブル型かがあります。カタカナで書くと,なんだかとても難しく見えてしまいますが,“リユーザブル”(reusable)とは,要は何度も使い回し可能なタイプということです。そして,“ディスポーザブル”(disposable)のほうは,1回ごとの使い切り仕様ということになります*2。まずは今回,リユーザブル電極の特徴と関連事項について解説しましょう。
*1 心筋内に埋まった“電線”(刺激伝導系)に電気が流れ,それに呼応するように機械的活動(収縮)を生じる様子を波形にしたものが心電図でしたね。
*2 我々が日常生活で用いる“ディスポ”と表記される製品も,このタイプだと思います。