尿酸に関しては,アロプリノール,フェブキソスタット,トピロキソスタットの治療効果を検討した15編のRCTの結果が対象となった。メタ解析では,全死亡,CVD発症,末期腎不全への進展,腎機能障害の進行に関してイベント抑制効果を認めず,腎機能低下速度〔推算糸球体濾過量(estimated glomerular filtration rate:eGFR)変化量〕のみで抑制効果を認めた。
よって,高尿酸血症を有するCKD患者に対する尿酸低下療法は腎機能悪化を抑制する可能性があり,行うことを考慮してもよい(推奨2C)と,前ガイドラインの「行うよう提案する(推奨2C)」よりも抑えた表現となっている。
近年使用可能となった選択的尿酸再吸収阻害薬(selective urate reabsorption inhibitor:SURI)であるドチヌラドに関しては,効果を検討したRCTはなく今回の推奨には含まれていない。
今田恒夫(山形大学大学院医学系研究科公衆衛生学・衛生学講座教授)