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元刑事被告人の医師が要望書 - 医療事故調査制度

No.4740 (2015年02月28日発行) P.6

登録日: 2015-02-28

最終更新日: 2016-11-18

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10月からスタートする医療事故調査制度について議論する厚労省の検討会が25日に議論の取りまとめを行うのを前に、24日、元刑事被告人の医師2人が調査報告書の遺族への交付義務化と再発防止案記載の義務化に反対する要望書を橋本岳厚労政務官に提出した。医師は、東京女子医大と福島県立大野病院の医療事故でそれぞれ業務上過失致死罪に問われ、無罪が確定した佐藤一樹氏と加藤克彦氏。
要望書では、内容に誤りがある院内事故調査報告書が遺族に手渡されたことが個人責任追及の発端となり逮捕・起訴された2人の経験を紹介。「(現在の日本の医療機関は)医療事故に対する公正な調査能力を持たず、調査される側の人権を擁護する手続きがとられていない。病院開設者側の都合に合わせた結果を報告書に記載しがち」と危惧し、医療者の人権保護に配慮した制度設計を求めた。
同日の会見で佐藤氏は「再発防止策を記載した報告書を遺族に渡すことで刑事事件化することを大変懸念している」と指摘し、医療事故の刑事事件化は医療安全につながらないことを強調した。
なお検討会では、再発防止策を記載した調査報告書の遺族への提出を求める意見と、それに反対する意見が出ている。

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