2014年度中に全国の児童相談所が児童虐待の相談を受け対応した件数は8万8931件に上り過去最多となったことが8日、厚生労働省のまとめで明らかになった。都道府県別では大阪が最も多く、神奈川、東京等が続いている。
死亡事例は心中以外が36例、心中事例は27例。死亡した子どもの年齢は0歳が44.4%と最多、3歳未満が66.7%だった。
死亡に至らなかった重症事例のうち、同省の専門委員会がヒアリングを行った事例では、体重増加不良など健康状態の維持が極めて難しく、医療機関で明確な診断がなされない長女(当時4歳)について、実母が育児に悩み、長女が低栄養等の重篤な状態で入院した際、医療機関の治療方針への拒絶に至った事例が紹介。基礎疾患のない発育不全の多くは不適切な療育環境が背景にあることを十分認識した対応・支援の重要性を指摘している。