厚生労働省のHTLV-1対策推進協議会が8日に開かれ、成人T細胞白血病などの原因ウイルスであるHTLV-1のキャリア調査の結果が公表された。2014/15年のキャリアは多くとも71.6万~82万人(推定)で前回調査が行われた06/07年の107.9万人(同)から大きく減少したことが分かった。
陽性率については、最もキャリアが多い九州は0.38%(前回1.14%)、大都市圏として増加が懸念されていた関東は0.05%(同0.15%)など前回調査に比べて全国的に3分の1から2分の1となった。調査結果をまとめた同省研究班の浜口功氏(国立感染症研究所)は、「(2010年の国の総合対策による)母子感染対策の効果が出た」としている。
浜口氏は、毎年新たに4000人以上が感染(陽転化)していると推定。性交渉による水平感染が一定程度起きているとし、「陽転者のカウンセリングを含めたキャリアフォローとさらなるリスク評価が求められる」と訴えた。
協議会では、患者会「スマイルリボン」のキャラクター「すまいるんるんちゃん」(写真)が登場し会場を沸かせた。菅付加代子委員(スマイルリボン)は、「HTLV-1は法律などで定められた施策がない。対策の推進には国民の理解が必要」と啓発活動の重要性を強調した。