【Q】
乳癌治療後に患者さんが妊娠・出産を希望する場合,どのような指針に沿って情報提供を行っておられますか(特にホルモン感受性陽性乳癌での適応について)。海外の動向についても併せて,国立がん研究センター中央病院・清水千佳子先生のご教示をお願いします。【A】
女性の社会進出に伴う晩婚・晩産化の影響で,乳癌と診断された時点で妊娠・出産を経験していない若年乳癌患者も少なくありません。乳癌治療に伴う不妊は,挙児希望のある若年乳癌患者のクオリティ・オブ・ライフに大きな影響を与えますが,最近では薬物療法前に受精卵や卵子・卵巣を凍結保存することで,がん治療後の妊娠・出産の可能性を残す生殖補助医療への取り組みも始まっています。