【Q】
院外心肺停止患者に対する治療目標は,良好な神経学的回復から元通りになることであり,2010年AHA(American Heart Association)ガイドラインは,病院外での心停止後自己心拍が再開した昏睡状態の患者に対して低体温療法(32~34℃,12~24時間)を施すことを推奨しています。一方で,低体温療法の有効性を必ずしも肯定しない研究報告があり,低体温の導入や復温方法,復温後の管理など,明らかにされていないことも多くあります。院外心肺停止患者に対する体温管理(target temperature management)を行う上で,どのようなポイントがあり,工夫をされているのでしょうか。徳島大学・西村匡司先生のご教示をお願いします。【A】
院外心肺停止患者に対する治療目的は,神経学的予後をできるだけ良い状態にして生存退院させることです。様々な方法が試みられてきましたが,エビデンスレベルの高い治療法は,自己心拍再開後の昏睡患者(Glasgow Coma Scale<8)に対する低体温療法です。