【Q】
妊娠に伴い1000mg/dLを超えるような高中性脂肪血症をきたす症例を時折経験しますが,このような場合,食事療法はあまり奏効せず,薬物も使えず難渋する一方,出産後は急速に中性脂肪値が低下することも多いように思います。こういった症例では妊娠中の急性膵炎のリスクは考慮すべきでしょうか。そうであれば,どのように管理していくべきでしょうか。新小山市民病院・永山大二先生のご教示をお願いします。【A】
妊娠中であっても1000mg/dLを超える高中性脂肪血症の症例では,やはり急性膵炎の高リスク群として厳重な管理が必要であると思われます。総摂取カロリーを意識するとともに,脂質の摂取量は極力減らす食事療法が推奨されます。また,中鎖脂肪酸製剤の併用も積極的に検討すべきと言えます。急性膵炎を既に発症した場合であれば,絶食の上で中心静脈栄養管理とすることで,速やかに中性脂肪値が低下することが見込めます。