【Q】
特別養護老人施設の嘱託医をしている。留置カテーテルをしている入所者で,尿混濁によりカテーテルが詰まり,交換を余儀なくされる場合が多い。その都度,抗菌薬を投与するが,効果が一時的で治療に苦慮している。何か良い治療法はないか。 (宮城県 N)【A】
尿道カテーテルを長期留置した場合,尿路感染を避けることは困難となる。どんなに細菌が入らないように気をつけたとしても,1週間以上感染を防ぐことは難しく,抗菌薬の投与を行っても同様である。したがって,尿道カテーテルを長期留置する場合には,尿路感染は必発となる。ただし,発熱などの症状がなければ,抗菌薬を使う必要はなく,経過観察となる。むしろ安易に抗菌薬を投与すると,抗菌薬が効かない耐性菌が出てきてしまう。
1) 高植幸子,他:排尿障害の治療・ケア,排泄リハビリテーション─理論と臨床. 中山書店, 2009, p313-9.
2) 後藤百万,他:日神因性膀胱会誌. 2001;12(2):207-22.