【Q】
限局性前立腺癌に対する高密度焦点式超音波治療法(high intensity focused ultrasound:HIFU)は,いまだ保険収載はされていないものの,確立された治療方法だと思われます。近年,HIFUを用いた前立腺局所療法の有用性が報告されていますが,前立腺全体に対するHIFUと比較して,術後QOLからみた利点が,治療されなかった部位での再発の危険性を上回るのかどうか疑問です。前立腺局所HIFUは将来有望な治療になるのでしょうか。東海大学八王子病院・内田豊昭先生のご回答をお願いします。【A】
近年,患者の予後に影響を及ぼす前立腺癌は,体積0.5cc以上の病巣(significant cancer)であると考えられます。特に,前立腺の中で最も大きく,あるいは最も悪性度の高い癌病巣は,“index lesion”と呼ばれ,癌の進行に関わることが,臨床的に示されました。局所治療は,このsignificant cancerを正確に治療することで,臨床的な癌制御を行うことを目的としています。