医療事故の再発防止・医療安全の確保を目的に医療事故調査制度が昨年10月にスタートしてから1年。第三者機関の医療事故調査・支援センターを運営する日本医療安全調査機構が11日、1年間の実績を発表した。全国の医療機関がセンターに医療事故として報告したのは388件だった。
報告件数の内訳は表の通り。9割以上が病院からの報告で、診療科は外科が最も多く、地域別では関東信越が4割を占めていた。
厚生労働省は制度開始前に年間報告件数を1300〜2000件と試算したことから、現在の報告件数は低調との見方がある。これに対し塩崎恭久厚労相は今年4月、当初の試算は日本医療機能評価機構が運営する医療事故情報収集等事業に基づいたもので現制度の医療事故の定義(用語解説)とは異なることを指摘し、現在の定義は「かなり狭い」(4月12日閣議後会見)と説明している。
厚労省は今年6月、事故調に関する改正省令と関係通知を発出した。この中で、全国の医療事故調査等支援団体が意見交換を行う「協議会」を各都道府県に1カ所、中央に1カ所設置されることが望ましいとした。
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