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大動脈弁狭窄症 【従来の手術に比べて,高齢者ハイリスク群ではTAVIの優位性が示された】

No.4816 (2016年08月13日発行) P.50

田中裕史 (神戸大学心臓血管外科・低侵襲外科特命教授)

登録日: 2016-08-13

最終更新日: 2016-10-30

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近年の高齢者人口の増加に伴い,大動脈弁狭窄症の患者数の増加は著しい。大動脈弁狭窄症に対して,これまで人工心肺使用,心停止下の大動脈弁置換術が標準治療として行われてきた。
それに対して,2002年にフランスで経カテーテル的に大動脈弁を移植する方法(transcatheter aortic valveimplantation:TAVI)が初めて施行された。この治療法の効果を検証するため,それまで年齢や全身状態などにより治療介入ができなかった患者群に対して,12年に発表された無作為試験であるPARTNER試験(文献1)が行われ,無治療群との比較で,治療群の優位性が示された。
これに続いて,16年に発表された平均年齢81歳の中等度リスク群に対する無作為試験(文献2)では,2年間の追跡で従来の手術と比較してTAVIの優位性が示された。
今後,TAVIの症例数はますます増加すると考えられる。

【文献】


1) Leon MB, et al:N Engl J Med. 2010;363(17):1597-607.
2) Leon MB, et al:N Engl J Med. 2016;374(17):1609-20.

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