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日本でも始まったChoosing Wisely [お茶の水だより]

No.4828 (2016年11月05日発行) P.14

登録日: 2016-11-02

最終更新日: 2016-11-02

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▶医療の質・安全学会「過剰医療検証とChoosing Wiselyキャンペーン」ワーキンググループ(代表・小泉俊三氏)はこのほど、Choosing Wisely Japanを立ち上げ、10月15日にキックオフ・セミナーを都内で開催した。
▶Choosing Wiselyは患者・市民が本当に役立つ医療を“賢明に選択”できるよう、医療職と患者との対話を促進し、意思決定を共有することを目指して米国内科専門医認定機構財団(ABIM Foundation)が2012年から開始した活動。これに応じた全米の臨床系専門学会が約400の有用性に乏しい「考え直すべき医療」のリストを根拠となる文献を併せて提示したことで、米国医療界に大きな反響を呼び起こし、現在、急速に国際的な広がりを見せている。
▶キックオフ・セミナーでは「根拠に乏しいまま実施されている医療の見直しを推進し、患者にとって臨床上の効果が高く、害の少ない医療を実現する」ために活動を展開するという設立宣言が採択された。Choosing Wisely Japanのサイトでは2016年10月末現在、「鎮痛薬について―心疾患・腎疾患がある場合」など、米国ABIMの“「考え直すべき医療」のリスト”を翻訳し、一部を日本向けに改稿した48の記事を公開している。
▶政府の「薬剤耐性(AMR)対策推進国民啓発会議」の初会合が11月1日に開かれるなど、薬剤耐性菌の蔓延は国家的な課題になっており、抗菌薬の適正使用が求められる。最近では高齢者に対するポリファーマシーの問題も注目されている。Choosing Wiselyが示すビジョンの実現に向け、医療者と患者・国民が動き出すべき時が日本でも来ている。

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