【質問者】
小林隆夫 浜松医療センター院長
aHUSは,補体の異常活性化により発症する指定難病です。国内では年間約200名の新規患者が発症すると推定され,急性腎障害,微小血管性溶血性貧血と血小板減少が特徴です。約80%が血液透析を必要とし,従来の血漿交換療法では発症1年後に約20%が死亡し,約50%は維持透析が必要な末期の腎不全になるため,生活の質(QOL)の低下が大きな課題とされてきました。幸いaHUSの研究が急速に進み,約50%に補体制御因子の遺伝子異常があることが明らかとなりました。さらに,2013年に抗補体(C5)モノクローナル抗体製剤エクリズマブ(遺伝子組み換え)(製品名:ソリリス®)が臨床応用され,この新薬により,急性期の死亡と末期の腎不全への移行が回避できるようになりました。
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