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(3)熱中症の治療と予防 [特集:熱中症対策2014]

No.4707 (2014年07月12日発行) P.34

清水敬樹 (東京都立多摩総合医療センター救命救急センター部長/昭和大学医学部救急医学講座)

三宅康史 (昭和大学医学部救急医学講座教授/同大学病院救命救急センター長)

有賀 徹 (昭和大学病院院長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-28

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  • 熱中症の治療としては,応急処置としての「FIRE」(Fluid:水分と塩分補給,Ice:冷却, Rest:安静,Emergency:緊急事態)を認識しておくことが重要である

    医療機関では急速輸液や急速冷却が治療の主体となる

    意識障害や肝機能・腎機能障害,凝固異常を認める場合には,速やかな高度医療機関への搬送が必要である

    予防としては情報収集,服装や食事・飲水の工夫が必要であり,暑熱順化への対応も盛夏前から施行することが望ましい

    1. common diseaseとなった熱中症

    近年の地球温暖化の影響により,日本において熱中症は認識されつつある。熱中症はもはや稀な病態ではなく,夏場には必ず生じうるcommon diseaseと言える。近年の熱中症へのわが国挙げての対応や研究などの取り組みの結果,治療や予防に関するある一定のコンセンサスは確立されてきた1)。本稿では,家庭内や入院前のコミュニティにおける予防策から,クリニックなどにおける医療機関としての治療,およびⅢ度熱中症の高度医療機関への早期搬送の重要性に関して解説する。

    2. 治療─FIREの重要性を認識する

    応急処置としては「FIRE」(Fluid:水分と塩分補給,Ice:冷却,Rest:安静,Emergency:緊急事態)を認識しておくことの重要性が強調されている。その後に医療機関に搬送された場合は,意識レベルの確認および評価(Consciousness),気道・呼吸の評価と確保(Airway, Breath),循環動態の評価(Circulation)などの基本事項,いわゆるC→A→B→ Cに加えて,必要に応じて急速輸液および冷却を施行する場合が多い。

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