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緑内障の点眼方法選択のポイント 【最低限の薬剤で高い眼圧下降効果が得られること,点眼回数が少なくてすみ副作用が少ないことなど】

No.4841 (2017年02月04日発行) P.61

相原 一 (東京大学医学部眼科学教授)

島田典明 (東京医科歯科大学眼科学教室)

登録日: 2017-02-02

最終更新日: 2017-01-31

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  • 緑内障に対する点眼治療はβブロッカーやプロスタグランジン(prostaglandin:PG)製剤,配合薬,Rhoキナーゼ(Rho-associated protein kinase:ROCK)阻害薬など,続々と選択肢が増えており,臨床現場では,時にその選択に苦慮することがあります。点眼方法の選択のポイントについて,東京大学・相原 一先生にご教示をお願いします。

    【質問者】

    島田典明 東京医科歯科大学眼科学教室


    点眼方法選択のポイントは,大きくわけて,①最低限の薬剤で最大の眼圧下降効果が得られること,②点眼による副作用が少なく,点眼回数が少ない薬剤を選択し,患者の点眼に対するアドヒアランスを高めること,という2つのポイントに着目すればよいと思います。

    なんと言っても眼圧下降が治療の最大目標ですから,眼圧下降効果の強さから見て,PG関連薬が一番で,続いてβブロッカーのチモロールマレイン酸塩となります。したがってPG関連薬とβブロッカーが第一選択薬になります。第二選択薬としては,おおよそ同様な眼圧下降効果を示す炭酸脱水酵素阻害薬点眼や,α2受容体刺激薬,ROCK阻害薬が続きます。基本的にこの5製剤の中から,目標眼圧値に向けて組み合わせを考えます。ROCK阻害薬は新しい薬剤であり,全緑内障病型に効果的かどうかは検証中ですが,少なくとも他の4製剤は,個人差はあるものの,ほとんどの病型に効果的です。

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