【質問者】
清水雄介 琉球大学医学部附属病院形成外科特命教授
四肢のリンパ浮腫は,癌治療の副作用・後遺症のためリンパ流が阻害されて生じる続発性リンパ浮腫と,原因不明の原発性(特発性)リンパ浮腫に大別することができます。続発性の場合はリンパ流を再生させることが根治治療になりますが,残念ながら今のところ,広く臨床応用されているリンパ系の再生治療はありません。したがって,原因不明である原発性と同じく続発性においても対症治療(病態治療)が行われます。
歴史が古く,最も普及しているのは複合的治療と呼ばれる保存的治療です。これは圧迫療法,用手的リンパドレナージ,運動療法,スキンケアを複合させる方法で,一定の効果を期待することができます。複合的治療は確立された治療法ですが,その効果には限界もあることから,治療成績の向上をめざして,近年は外科的治療も盛んに行われるようになってきました。
外科的治療における最近のトピックスは,リンパ管静脈吻合術,リンパ節移植術,脂肪吸引術の3つです。以下にそれぞれについて概説します。
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