脳卒中などの原疾患だけでなく,入院を期にADL(日常生活動作)低下が多く生じていることが知られている1)。原疾患による機能障害に加え,安静臥床による廃用症候群を予防,改善するためにもリハビリテーション(以下,リハ)の重要性がますます高まっている。一般病院における標榜科は内科が最も多いが(92%),リハ科が2番目に多く(73%),リハはおよそ現代の病院の必須機能と言えよう。
今般,高度急性期,急性期,回復期,慢性期と機能分化させた体制整備が進められている中,回復期リハ病棟が2000年に,地域包括ケア病棟が14年に制度化された。回復期リハ病棟は全国で7万床を超え,1日・1人当たりの実施リハ平均単位数は10年度に4.0単位であったのが15年度には6.3単位(1単位は20分)に増加しており2),患者はなかなか忙しい入院生活を送っている。
現在,いかに急性期において,より効果的なリハを行うか,在宅を含めた慢性期のリハを誰に,どれだけの量で提供するか,リハ専門職以外のリソースを使ったリハ・マネジメントを行うかなどが課題となっている。
【文献】
1) Covinsky KE, et al:JAMA. 2011;306(16):1782-93.
2) 回復期リハビリテーション病棟協会:回復期リハビリテーション病棟の現状と課題に関する調査報告書. 平成27(2015)年版. 2016.
【解説】
大西丈二 名古屋大学医学部附属病院老年内科講師