健診関係10団体で構成する「日本医学健康管理評価協議会」はこのほど、労働安全衛生法に基づく定期健康診断について、検査の一部省略の判断が医師ではなく事業者によって行われている事例が確認されているとして、厚生労働省に適切な実施を求める要望書を提出した。
安衛法では、定期健診における11の検査項目が定められているが、医師が必要でないと認める場合に限り、「身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査」「胸部エックス線検査及び喀痰検査」「貧血検査」「肝機能検査」「血中脂質検査」「血糖検査」「心電図検査」については省略することができるとされている。
要望書では、①検査項目の一部省略は医師の判断によって行われること、②健診関係団体が実施する精度管理事業や施設認定事業に参加し、評価を受けている健診機関に定期健診の委託を行うこと─などを関係者に周知するよう求めている。
要望書について4月26日の会見で報告した日本医師会の松本吉郎常任理事によると、厚労省は、法令違反の事業者には指導を行い、健診の委託先についても改めて周知すると回答したという。