日本医療機能評価機構は4月17日、「医療安全情報No.125」を発出し、手術前に中止する経口避妊剤について注意喚起した。添付文書上、手術前4週以内の患者には「禁忌」の経口避妊剤を中止しなかったため、 手術が延期になった事例が2件報告されている(2013年〜17年2月28日)。
外来を交代した医師に内服薬を伝えず
事例1では、外来で初診を担当した医師Aは、患者のアンジュ錠の内服を問診票で確認していたが、担当を交代した医師Bにそれを伝えていなかった。そのため、医師Bはアンジュ錠が「手術前4週以内は禁忌」であると知っていたが中止の指示をせず、入院後、患者からの申し出により内服していることが判明し、手術が延期となった。
事例2では、患者はトリキュラー錠を内服していることを医師に伝えたが、医師は「手術前4週以内は禁忌」であることに気付かず、中止の指示をしなかった。入院前のオリエンテーションで患者が看護師に内服を申し出たものの、看護師も手術前に中止が必要な薬剤という知識がなく、入院後に薬剤師がトリキュラー錠が中止されていないことに気付き、手術が延期となった。
術前チェックリストに禁忌薬の明示を
事例が発生した医療機関では、手術が決定した外来診察日に薬剤師が患者の内服薬の鑑別を行い医師に情報提供するなどの対策を実施。また機構の総合評価部会は、術前チェックリストに内服禁忌の薬剤を明示し、確認を徹底するよう求めている。
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