Prostate Cancer Intervention Versus Observation Trialにおいて,731人の局所前立腺癌患者を手術療法群と無治療群にわけたランダム化比較試験では,疾患特異的生存率に差はあるが,10年後の全生存率に差がないことが報告された1)。特に,グリソンスコアが6以下,PSA 10ng/mL以下,cT1-2aの低リスク前立腺癌では,手術療法のメリットが少なかった。
監視療法では,これら低リスクの前立腺癌患者を対象として,3~6カ月ごとに直腸診,前立腺特異抗原(prostate specific antigen:PSA)採血,1~3年ごとに再生検を行い,病勢の進行があれば治療を行う2)。短期・中期的な検討では,監視療法によって患者のQOLは低下しないことが示されているが,患者によっては,担がん状態に対する不安や再生検の負担,拒否,悪性度を正確に評価するバイオマーカーがないなどの問題が残されている。
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