排泄性腎盂造影は,静注された造影剤が血流とともに腎に到達し,大部分が糸球体から排泄され腎実質内に広がり,尿細管で濃度を上げながら腎盂・腎杯を満たし,さらに尿管から膀胱に至る過程をフィルム上に描出する検査である1)。通常,40mLの造影剤を注射し,5分後,10分後,15分後に排尿後立位などで撮影を行う。早期の相では,左右のネフログラムの違いから分腎機能の差を見たり,腎杯が描出された画像で実質の厚さを見る。立位画像では,腎の下垂の程度も評価する。100mLの造影剤を点滴静注し,X線撮影を行う方法もあり,より濃厚に描出された尿路が観察可能である。
異常を認めるケースでは,造影剤の排泄遅延や腎盂像の変位・変形などがみられ,CT・MRI検査などで鑑別を行う。尿管結石の発作時には患側の腎盂像の出現は遅延し,疝痛が尿路系に関係していることがわかる。
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