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中高年期の帯状疱疹対策としての水痘ワクチン追加接種をいかに行うか?【発症年齢や効果持続期間から,50歳代より10年に1度の接種が望ましい】

No.4860 (2017年06月17日発行) P.63

渡辺大輔 (愛知医科大学皮膚科学講座教授)

登録日: 2017-06-13

最終更新日: 2017-06-13

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  • 水痘ワクチンが2016年より定期接種となったのは喜ばしいことですが,中高年期になってから帯状疱疹対策としての追加接種が必要と思われます。何歳頃から何年に1度(長寿ならば)の追加接種が必要なのでしょうか。

    (大阪府 K)


    【回答】

    水痘ワクチンは,1974年,大阪大学微生物病研究所の高橋理明先生により開発されました。水痘患児より分離,継代された弱毒株(生ワクチン)であり,患児の名前からOka株と命名されています。現在Oka株はWHOが認める世界で唯一の水痘ワクチンです。水痘ワクチンはわが国でも1986年に認可され,2014年に小児に対する水痘予防の定期接種が開始されました。

    水痘ワクチン接種により,水痘帯状疱疹ウイルスに対する特異的細胞免疫を誘導することで,帯状疱疹発症の予防や重症化の阻止が期待できます。米国での,60歳以上の約4万人を対象とした大規模な無作為化二重盲検プラセボ対照試験では,ワクチン接種後平均3.12年の追跡期間中,帯状疱疹発症頻度はワクチン接種群がプラセボ群に比して51.3%減少,帯状疱疹後神経痛は66.5%減少,疾病負荷も61.3%減少したことが報告されています1)

    この結果を受け,米国では2006年5月より免疫能正常な60歳以上を対象として帯状疱疹ワクチン(ZOSTAVAX)の接種が推奨され,2011年3月から年齢が50歳以上に引き下げられました。わが国でも2016年3月に水痘ワクチンとZOSTAVAXは本質的に同じワクチン(Oka株由来)であることに基づき,帯状疱疹に対する予防効果は医学・薬学上公知であるとして,「50歳以上の者に対する帯状疱疹予防」の効能追加が認められました。

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