【質問者】
栗田隆志 近畿大学医学部附属病院心臓血管センター 教授
ReACT trialの報告は,薬物溶出性冠動脈ステント(drug eluting stent:DES)が用いられている現在のPCI後のフォローアップとして,「無意識にフォローアップ冠動脈造影(coronary angiography:CAG)を選択することは避けるべきである」というメッセージと考えます。
本研究は,2010~14年にわが国において,PCI術後慢性期(8~12カ月後)に行われるフォローアップCAGの臨床的意義について検証した無作為割付試験です。冠動脈ステントとして,第二世代DESが対象者の90%に用いられ,おおむね現在のPCIに合致した症例群で構成されています。
最終的に700人の症例を,①慢性期にフォローアップCAGを行う「CAGフォローアップ群」,②フォローアップCAGを行わず臨床経過観察を行う「臨床経過でのフォローアップ群」の2群にわけ,総死亡,心筋梗塞発生,脳梗塞発生,急性冠症候群による緊急入院,心不全による入院を合わせた複合エンドポイントを一次エンドポイントとして比較しました。
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