薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会は6月22日、鎮咳去痰薬のコデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩、がん疼痛・慢性疼痛治療薬のトラマドール塩酸塩について、12歳未満の小児に使用しないよう注意喚起を行うことを了承した。厚生労働省は7月上旬にも使用上の注意改訂指示について通知を発出する予定。
12歳未満の小児に対するコデイン類やトラマドールを含む医療用医薬品の使用については、米食品医薬品局(FDA)が今年4月に「禁忌」とすることを発表。これは、米国の副作用データベースで1969〜2015年の間に世界で18歳未満の患者64人から呼吸抑制等のモルヒネ中毒関連症例が報告され、そのうち24人が死亡したことを受けたもの。
一方、国内では、2004年4月〜17年5月に厚労省または医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告された18歳以下の患者での呼吸抑制関連の重篤副作用報告は、コデイン類含有製剤で4例(医療用2例、一般用2例)。死亡例はなかった。トラマドールについては、国内で小児に対する用法・用量が承認されている品目はなく、18歳以下の患者での呼吸抑制関連の重篤副作用は報告されていない。
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