日本人の食塩摂取量は年々減少傾向にあるものの,諸外国に比べ,依然として多い。健康日本21(第二次)が提唱する国民レベルでの減塩を推進するためには,個人を対象としたアプローチにとどまらず,行政や食品製造業者などに対する働きかけ,市民に対する広報活動など様々な視点で取り組む必要がある。ここ数年,医療機関のみならず自治体や企業による減塩推進活動がみられるようになり,近い将来,国民の食塩摂取量低下が成果として表れることが期待される。
本特集では,国民レベルでの減塩をめざしたポピュレーションアプローチの具体的戦略,自治体における食育を通じた「子どもからの減塩」の意義と実践,さらに,家庭における減塩のコツを紹介した。減塩指導に携わる読者が,様々な視点からのアプローチを理解し,対象者や施設環境に応じた指導の実践に役立てて頂ける機会となることを期待している。
1 ポピュレーションアプローチによる 国民レベルでの減塩戦略
滋賀医科大学社会医学講座公衆衛生学部門教授/同大学アジア疫学研究センター長 三浦克之
2 減塩は子どもから ─広島県呉市における食育の試み
日下医院院長/「こだわりのヘルシーグルメDietレストランin呉」プロジェクト代表 日下美穂
3 家庭でもできる減塩のコツ
調理師 竹田博幸