株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

重症アトピー性皮膚炎に対するステロイド外用薬塗布後の小丘疹や水疱出現時の患者対応 【寛解前の症状であることを説明し,最強ランクを使用する必要性を伝達の上,投与する】

No.4868 (2017年08月12日発行) P.58

大矢幸弘 (国立成育医療研究センター 生体防御系内科部アレルギー科医長)

江藤隆史 (東京逓信病院皮膚科部長/副院長)

登録日: 2017-08-10

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 重症アトピー性皮膚炎の患者の治療では,適切な強さのステロイド外用薬を適切な量塗布すれば,必ずいったん皮疹は消失し痒みもなくなるのですが,治療開始後2~3週間ほどした頃に多くの患者が手掌や足底など四肢末端に新たに痒みを伴う小丘疹や水疱の出現を経験します。重症患者にはあらかじめ伝えておかないと,信頼性が崩れたりステロイドフォビアに陥ったりする危険性があると思うのですが,どのようにこの問題を克服していらっしゃいますか。東京逓信病院・江藤隆史先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    大矢幸弘 国立成育医療研究センター 生体防御系内科部アレルギー科医長


    【回答】

    「寛解前異汗性湿疹?」と仮称して2008年に自験例を「Visual Dermatology」に報告したことがあります1)。重症の状態で入院し,1~2週間で順調に改善した患者の2~3割に,四肢・体幹の皮膚症状はまったく落ち着いているのに手掌・足蹠に水疱を多発することがあります。このような急激な悪化は,患者に「ステロイド外用薬の副作用ではないか?」とか,「これがあの有名なリバウンドなのでは?」というように誤解され,大矢先生のおっしゃるように,再びステロイドフォビアに陥る危険性が高いと言えます。

    残り630文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top