厚生労働省の「がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会」は4日、eラーニングを盛り込んだ緩和ケア研修会の開催指針の改正案を大筋で了承した。新指針は、来年度にも施行される見通し。
新指針では、研修対象者を「がん等の診療に携わるすべての医師」としつつ、緩和ケアに従事するその他の医療従事者も「参加することが望ましい」と明記。研修会はeラーニングと集合研修で構成され、研修終了後も無料でeラーニングの利用を可能とする。研修内容には、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)や遺族へのグリーフケアのほか、がん以外に対する緩和ケアなどを追加する。
ACPについて構成員からは、「がん告知はしても、手術ができない方に化学療法が根治療法ではないことを説明せずに、希望を残す形で話を進めるので、患者は助かることを前提に計画を立てる。契約社会である海外から持ち込んだものを日本に当てはめるのは難しい」と懸念の声が上がった。これに対し厚労省は「確かに難しいが、我が国独自の文化としても入れていくべき」と必要性を説明した。