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ループス腎炎におけるタクロリムス・ミコフェノール酸モフェチル併用療法の実際と将来性【早期寛解達成の有用性が示され,寛解維持期での長期的ステロイドフリーの可能性に期待】

No.4875 (2017年09月30日発行) P.58

奥 健志  (北海道大学病院内科Ⅱ)

廣村桂樹 (群馬大学医学部附属病院腎臓・リウマチ内科診療教授)

登録日: 2017-09-30

最終更新日: 2017-09-26

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  • ループス腎炎(lupus nephritis:LN)におけるタクロリムス(TAC)・ミコフェノール酸モフェチル(MMF)併用療法の実際と将来性についてご教示下さい。①TACとMMFの投与は,何をメルクマールに,どういう順序で増減量するのが適切か,②ヒドロキシクロロキン(HCQ)などの併用により将来的にステロイドを省く,もしくは急性期のみ投与するレジメンをつくることはできるのか,群馬大学・廣村桂樹先生にお願いします。

    【質問者】

    奥 健志 北海道大学病院内科Ⅱ


    【回答】

    TACとMMFの併用療法は,中国の南京大学のグループがISN/RPS分類Ⅳ+Ⅴ型のLNの寛解導入療法において,シクロホスファミド間欠静注療法(intermittent intravenous cyclophosphamide therapy:IVCY)と比較し,より早期に寛解が得られたと報告したことに始まります1)。その後Ⅲ~Ⅴ型のLNに対して,中国で多施設共同ランダム化比較試験が施行され,早期寛解達成におけるIVCYに対する併用療法の有用性が示されました2)。私たちの教室でも重症例に本療法を導入し,良い治療成績が得られ3),現在も活動性の高い症例を中心に施行しています。

    (1)免疫抑制薬の投与法

    おおむね南京大学のレジメンを踏襲しています1)。TAC,MMFはステロイドとほぼ同時に開始しますが,急速進行性糸球体腎炎症候群を呈する場合や半月体を有する場合は,ステロイドパルス療法施行後にTAC,MMFを開始します。

    TACの投与量については,2mg/日(1日1回)くらいより開始し,投与12時間後の血中濃度(C12)で5~10ng/mLを初期のターゲットとして増減します(添付文書をもとに最高3mg/日まで)。

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