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ステント血栓症の病態と予防について【冠動脈へ留置した金属製ステントに血栓形成が起こり最終的に急性閉塞する】

No.4879 (2017年10月28日発行) P.54

桃原哲也 (公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院循環器内科部長)

伊藤智範 (岩手医科大学医学教育学講座地域医療学分野/内科学講座循環器内科分野教授/心血管リサーチセンター長)

登録日: 2017-10-25

最終更新日: 2017-10-24

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  • ステント血栓症とはどのようなものでしょうか。予防方法も併せてご教示下さい。岩手医科大学・伊藤智範先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    桃原哲也 公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院循環器内科部長



    【回答】

    ステント血栓症は,冠動脈へ留置した金属製ステントに血栓形成が起こり,最終的に急性閉塞してしまう病態です。急性心筋梗塞を生じ死亡率が高い病態で,第一世代の薬剤溶出性ステント(drug eluting stent:DES)では,年率0.2%程度発生するとされています。ステント血栓症の世界的な定義としては,学術研究コンソーシアム(academic research consortium:ARC)の定義があり,「definite」と「probable」と「possible」に分類されます。ステント血栓症発生には,血栓形成に関わる古典的な「Virchowの3原則」である,血流のうっ滞,血管壁,凝固が挙げられます。その中で,ステントのデザインも血栓形成に関連することが知られており,厚いものや角張ったものは,血管壁で乱流を起こし血小板凝集を引き起こしやすくします。

    ステント血栓症予防のため,現在は留置後から一定期間の2剤抗血小板療法を行うことになっています。クロピドグレルを定められた期限により休薬した後に,アスピリン製剤を自己中断し,その直後に超遅発性ステント血栓症を発症したDES留置症例が報告されました(Lancet. 2004)。DESでは,ベアメタルステントとは異なり,半永久的な2剤抗血小板療法が必要である可能性が指摘されました。第一世代DESでは,ステント血栓症の主な要因として,好酸球増加症候群(hyper eosinophilic syndrome)による治癒遅延(delayed healing)というポリマーによる血管修復の遅延が挙げられていました。

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