【質問者】
白井敏博 静岡県立総合病院呼吸器内科部長
近年,多発性筋炎/皮膚筋炎(polymyositis/dermatomyositis:PM/DM)では,その約80%程度に疾患特異性の高い種々の筋炎特異的自己抗体(myositis-specific antibodies:MSAs)が検出され,抗アミノアシルtRNA合成酵素(aminoacyl-tRNA synthetase:ARS)抗体,抗melanoma differentiation antigen5(MDA5)抗体,抗transcriptional intermediary factor 1(TIF1)γ抗体,抗signal recognition particle(SRP)抗体,抗Mi-2抗体などが知られています。
PM/DMに合併する間質性肺炎(PM/DM-associated interstitial lung disease:PM/DM-ILD)においても,MSAsは臨床病型に関連するため重要です1)。抗ARS抗体陽性PM/DM-ILDは,ステロイドによる初期治療反応が良好である一方,減量によりしばしば再燃がみられることが報告されています2)。また,抗MDA5抗体陽性例は,しばしば致死的な急速進行性ILDを合併することが知られています。
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